点検会社の事業承継|後継者不在率と承継・支援の選択肢

全国の後継者不在率は52.1%(2024年・7年連続改善)、社長の平均年齢は60.7歳です。点検会社を引き継ぐ・後継者がいない場合の選択肢(親族内・内部昇格・M&A)と、法人版事業承継税制・事業承継M&A補助金の支援を一次情報で整理しました。

点検会社を引き継ぐ・後継者がいない場合は?

要点

全国の後継者不在率は52.1%(2024年)で7年連続の改善傾向にあります。承継の選択肢は親族内・内部昇格・M&Aなどがあり、法人版事業承継税制や事業承継・M&A補助金といった公的支援を活用できます。

このデータの要点

  • 全国の後継者不在率は52.1%(2024年)で、2011年の調査開始以来 過去最低・7年連続改善。
  • 中小企業の社長の平均年齢は60.7歳(2024年)で、経営者の高齢化が進む。
  • 承継の内訳は内部昇格36.4%・同族承継32.2%・M&Aほか20.5%・外部招聘7.5%。
  • 法人版事業承継税制(特例措置)の特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日。
  • 事業承継・M&A補助金(旧 事業承継・引継ぎ補助金)が設備投資や専門家費用を支援する。

事業承継の統計

指標 全国平均 基準時点 補足
後継者不在率(全国) 52.1% 2024 2011年調査開始以来 過去最低・7年連続改善
社長の平均年齢(全国) 60.7歳 2024 中小企業白書2025が帝国データバンク調査を引用
承継内訳:内部昇格 36.4% 2024
承継内訳:同族承継 32.2% 2024
承継内訳:M&Aほか 20.5% 2024
承継内訳:外部招聘 7.5% 2024
後継者不在率が最も高い県(秋田県) 72.3% 52.1% 2024 全国平均52.1%に対する最高値

公的支援・制度

制度 種別 要点 期限 確認日
法人版事業承継税制(特例措置) tax 非上場会社の株式に係る相続税・贈与税の納税が猶予・免除される制度。特例措置は猶予割合100%・対象株式数の上限撤廃・後継者最大3人などが特徴で、適用には事前に特例承継計画の都道府県への提出が必要。 2027-09-30 / 特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日まで。特例措置の適用(贈与・相続)は令和9年12月31日までの10年間限定。今後の制度のあり方は税制改正で見直される可能性があるため最新情報を確認する。 2026-06-30
事業承継・M&A補助金 subsidy 事業承継やM&Aに際して行う設備投資や、専門家の活用費用等の一部を補助する制度。事業承継促進枠・専門家活用枠・廃業再チャレンジ枠・PMI推進枠がある。旧称は事業承継・引継ぎ補助金。申請はjGrantsで行う。 公募回次ごとに補助率・補助上限額・受付期間が異なるため、申請前に最新の公募要領を確認する。 2026-06-30

後継者問題の現状(不在率52.1%・改善傾向)

中小企業の事業承継は、点検会社にとっても他人事ではありません。帝国データバンクの調査によると、全国の後継者不在率は52.1%(2024年)で、2011年の調査開始以来で過去最低となり、7年連続で改善しています。一方で、中小企業の社長の平均年齢は60.7歳(2024年)と高く、経営者の高齢化は続いています。不在率は下がってきているとはいえ、なお半数を超える企業で後継者が定まっていない状況です。なお、いわゆる「2025年問題」(127万人にのぼる経営者が後継者未定になりうるとした試算)は、2019年の中小企業庁の試算に基づくもので、本ページで示す後継者不在率52.1%(2024年・改善傾向)とは出典・年次が異なる点に注意してください。数字を引用する際は、どの調査のどの年次かを区別することが大切です。

承継の選択肢(親族内・内部昇格・M&A)

事業を引き継ぐ方法にはいくつかの選択肢があります。帝国データバンクの調査では、承継の内訳は内部昇格が36.4%と最も多く、次いで同族承継32.2%、M&Aほか20.5%、外部招聘7.5%となっています。かつて中心だった親族内承継だけでなく、社内の人材への承継や、M&Aによる第三者への引継ぎが広がり、いわゆる「脱ファミリー化」が進んでいます。点検会社の場合、有資格者の確保や受注先との関係が事業の核になるため、誰に引き継ぐ場合でも、資格・人材と顧客基盤をどう承継するかが論点になります。親族に適任者がいない場合でも、社内の有資格者への承継や、同業へのM&Aといった道があり、後継者不在がただちに廃業を意味するわけではありません。自社の状況に合わせて、複数の選択肢を比較検討することが大切です。

事業承継税制(法人版・特例措置)

承継時の税負担を軽減する制度として、法人版事業承継税制があります。これは非上場会社の株式に係る相続税・贈与税の納税が猶予・免除される制度で、平成30年度税制改正で拡充された特例措置では、猶予割合が100%に拡大され、対象株式数の上限が撤廃されるなどの優遇があります。特例措置の適用を受けるには、事前に「特例承継計画」を都道府県に提出して確認を受ける必要があり、計画には認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けた旨を記載します。特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日まで、特例措置の適用(贈与・相続)は令和9年12月31日までの10年間限定です。今後の制度のあり方は税制改正で見直される可能性があるため、活用を検討する際は中小企業庁の最新情報を確認してください。期限や要件の詳細は本ページの支援策の一覧にも整理しています。

事業承継・M&A補助金

承継やM&Aにかかる費用を支援する制度として、事業承継・M&A補助金があります。これは中小企業が事業承継やM&Aに際して行う設備投資や、専門家の活用費用などの一部を補助する制度で、旧称は事業承継・引継ぎ補助金です。事業承継促進枠、専門家活用枠、廃業・再チャレンジ枠、PMI推進枠といった枠が用意されており、申請はjGrantsを通じて行います。補助率や補助上限額、受付期間は公募の回次ごとに異なるため、本ページでは具体的な金額や回次は断定せず、活用を検討する際は最新の公募要領で確認することをおすすめします。このほか、点検業のデジタル化を支援する補助(点検SaaSの導入など)もあり、開業や事業継続の局面で活用できる支援は税制・補助金・融資・相談窓口と幅広く存在します。

点検会社ならではの承継の視点

点検会社の承継では、株式や資産だけでなく、事業を支える資格・人材と顧客基盤の引継ぎが重要になります。点検は有資格者でなければ行えない設備があるため、後継者や承継後の体制で有資格者をどう確保するかが事業継続の前提になります。また、官公庁の点検委託では業務責任者の直接雇用などが求められる場合があり、承継後も受注条件を満たせる体制を保つ必要があります。需要面では、全国の点検報告率が49.2%(平成29年時点)にとどまり、点検・維持管理の需要は安定して存在します。後継者不在を理由にすぐ廃業を選ぶ前に、社内承継やM&A、公的支援の活用を含めて選択肢を検討する価値があります。資格や開業の前提は資格・開業のページに、需要の規模感は data のページにまとめています。

関連リンク

よくある質問

後継者不在率はどのくらい?

全国で52.1%(2024年・帝国データバンク)です。2011年の調査開始以来で過去最低となり、7年連続で改善しています。社長の平均年齢は60.7歳です。

後継者がいないと廃業するしかない?

いいえ。承継の選択肢は内部昇格・同族承継・M&A・外部招聘などがあります。社内の有資格者への承継や同業へのM&Aといった道があり、公的支援も活用できます。

事業承継税制の特例承継計画の期限は?

法人版事業承継税制(特例措置)の特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日までです。特例措置の適用(贈与・相続)は令和9年12月31日までの10年間限定です。

「2025年問題」と後継者不在率52.1%は同じ話?

別の出典です。2025年問題(127万人規模の試算)は2019年の中小企業庁の試算で、不在率52.1%は2024年の帝国データバンク調査(改善傾向)です。年次と出典を区別してください。

承継やM&Aに使える補助金はある?

事業承継・M&A補助金(旧 事業承継・引継ぎ補助金)があります。設備投資や専門家費用を支援する枠があり、補助率・上限額・回次は変動するため最新の公募要領を確認してください。

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