消防施設工事業の建設業許可|4要件と点検業との違い
消防用設備の設置工事を請けるには消防施設工事業の建設業許可が必要です。経営業務の管理責任者等・営業所技術者・誠実性・財産的基礎(自己資本500万円以上等)の4要件と欠格要件、点検のみ業との違いを国土交通省の一次情報で整理しました。
消防施設工事業の建設業許可は何が要る?
建設業許可には、経営業務の管理責任者等、営業所技術者、誠実性、財産的基礎(一般は自己資本500万円以上等)の4要件と、欠格要件に該当しないことが必要です。点検のみを業とする場合は建設業許可は不要です。
このデータの要点
- 消防用設備の設置工事を請けるには、消防施設工事業の建設業許可が必要。点検のみなら不要。
- 建設業許可は法第7条の4要件(経営業務の管理責任者等・営業所技術者・誠実性・財産的基礎)を満たすこと。
- 一般建設業の財産的基礎は、自己資本500万円以上、500万円以上の資金調達能力、直前5年継続営業のいずれか。
- 営業所技術者は、国家資格者・実務10年・指定学科+実務などのいずれかを満たし、営業所ごとに専任で配置する。
- 欠格要件(法第8条)に該当しないことも必要。消防施設工事は指定建設業7業種に含まれない。
要件
| 区分 | 項目 | 適用 | 必須度 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| personnel | 経営業務の管理責任者等 | construction | required | 法人は常勤役員のうち1人、個人は本人または支配人のうち1人が、建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する等のいずれかに該当すること。あわせて適正な社会保険への加入が必要。 退職等で不在になると許可取消しの対象になるため事前準備が必要 |
| personnel | 営業所技術者(専任技術者) | construction | required | 営業所ごとに専任の技術者を置く。一般建設業は、指定学科修了かつ高卒後5年・大卒後3年以上の実務、実務10年以上、または国家資格者のいずれか。特定建設業は国家資格者または指導監督的実務経験者。 消防設備士などの国家資格が該当。営業所に常勤していることが必要 |
| license | 誠実性 | construction | required | 請負契約の締結や履行に際して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと。法人・個人本人のほか、営業取引で重要な地位にある役員等についても同様に求められる。 |
| financial | 財産的基礎等 | construction | required | 一般建設業は、自己資本500万円以上、500万円以上の資金調達能力、許可申請直前の過去5年間継続して営業した実績のいずれか。特定建設業は、欠損が資本金の20%以内・流動比率75%以上・資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上のすべて。 |
| license | 欠格要件に該当しないこと | construction | required | 建設業法第8条の欠格要件に該当しないこと。申請書類の虚偽記載、破産者で復権を得ない者、許可取消しから5年を経過しない者、禁錮以上の刑などが定められている。 |
消防施設工事業の建設業許可とは(点検との違い)
消防施設工事業の建設業許可は、消防用設備の設置工事を請け負うために必要な許可です。消防施設工事は、火災警報設備・消火設備・避難設備など、火災の感知や消火活動に必要な設備を建物に設置する工事を指し、屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、火災報知設備工事などが含まれます。一方、設置済みの設備を定期的に確認する点検は建設工事には当たらないため、点検のみを業とする場合は建設業許可は不要です。つまり、この許可が必要になるのは「工事も請ける」事業者で、点検専業であれば取得は求められません。建設業許可を受けるには、建設業法第7条が定める4つの要件を満たし、同法第8条の欠格要件に該当しないことが必要です。
4要件①②(経営業務の管理責任者等・営業所技術者)
1つ目は、経営業務の管理責任者等の設置です。法人なら常勤役員のうち1人、個人なら本人または支配人のうち1人が、建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する等のいずれかに該当する必要があります。あわせて、健康保険・厚生年金保険・雇用保険など適正な社会保険への加入も求められます。2つ目は、営業所技術者(専任技術者)の設置です。営業所ごとに、許可を受けようとする建設業に関する一定の資格または経験を持つ技術者を専任で置きます。一般建設業では、指定学科を修めて高卒後5年・大卒後3年以上の実務経験、10年以上の実務経験、または国家資格者のいずれかが該当し、消防設備士などの国家資格が当てはまります。いずれも許可後に不在になると許可取消しの対象になるため、事前の体制づくりが重要です。
4要件③④(誠実性・財産的基礎)
3つ目は誠実性です。請負契約の締結や履行に際して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな場合は、建設業を営むことができません。これは申請する法人・個人だけでなく、営業取引で重要な地位にある役員等にも及びます。4つ目は財産的基礎等です。一般建設業では、自己資本500万円以上、500万円以上の資金調達能力、許可申請直前の過去5年間継続して営業した実績のいずれかを満たすことが必要です。特定建設業ではこの要件が加重され、欠損の額が資本金の20%を超えないこと、流動比率75%以上、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上のすべてを満たす必要があります。これらは工事を請け負うための準備資金や経営の健全性を確かめるための要件です。
欠格要件と特定建設業の扱い
4要件に加えて、建設業法第8条の欠格要件に該当しないことが必要です。申請書類に虚偽の記載がある場合や、破産者で復権を得ていない者、許可取消しの日から5年を経過しない者、禁錮以上の刑に処せられ一定期間を経過しない者などが定められています。なお、下請に多くを出す大規模工事を請ける場合は特定建設業の許可が必要になり、財産的基礎の要件が加重されます。特定建設業の営業所技術者は、原則として国家資格者または指導監督的実務経験者ですが、施工技術の総合性等から定められた指定建設業7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)には消防施設工事は含まれません。そのため消防施設工事業では、特定建設業でも指導監督的実務経験のルートで営業所技術者の要件を満たすことができます。
点検のみなら許可は不要(業態の確認)
あらためて整理すると、建設業許可が必要なのは消防用設備の設置工事を請け負う場合で、点検のみを業とする場合は不要です。開業時に自分の業態が「点検のみ」か「工事も請ける」かをはっきりさせ、工事を手がけるなら建設業許可の4要件と欠格要件を満たす準備を進めます。許可の具体的な申請窓口や審査は許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)が担い、個別ケースの該当性は許可行政庁への確認が確実です。開業全体の流れや人的要件の概要は開業のページ、点検事業としての需要や資格は、関連クラスタにまとめています。工事と点検の両方を手がける場合は、どちらの要件も満たす体制を整える必要があります。
関連リンク
よくある質問
消防施設工事業の建設業許可はどんなときに必要?
消防用設備の設置工事を請け負う場合に必要です。屋内消火栓やスプリンクラー、火災報知設備の設置工事などが対象です。点検のみを業とする場合は不要です。
建設業許可の4要件とは?
経営業務の管理責任者等、営業所技術者(専任技術者)、誠実性、財産的基礎の4つです。あわせて建設業法第8条の欠格要件に該当しないことも必要です。
財産的基礎の500万円とは?
一般建設業では、自己資本500万円以上、500万円以上の資金調達能力、直前の過去5年間継続して営業した実績のいずれかを満たすことが必要です。
消防設備士の資格は専任技術者に使える?
営業所技術者(専任技術者)は国家資格者のルートが認められており、消防設備士などの国家資格が該当します。営業所ごとに専任で常勤している必要があります。
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